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『スクールアタックシンドローム』舞城王太郎
『みんな元気。』が文庫化される際に分冊された分の、二冊目。
短編集を分冊したことで、安くて軽く、お手ごろに手に入れることが出来るようになったんじゃないかと思う。
『みんな元気。』に引き続き、全体的に<繋がり>がテーマになっているんじゃないだろうかと思った(当たり前っちゃ当たり前)。まあ、それぞれその<繋がり>がメインのテーマじゃなくて、あくまでメインのテーマとこのテーマが相互に関係しあって話が進んでいく感じ。この二本柱感は『みんな元気。(文庫版)』から通してずっとあって、面白い。
一話で二話分舞城王太郎を楽しめている気がした。

『スクールアタックシンドローム』
本書の中で一番好み。分冊の二冊の中でも一番かも。「どんな人間でも強いばかりじゃなく弱いところもあるから人間らしいんだ」と「どんな人間でも頑として強い芯を持って居るからこそ弱いんだ」とでは少し違うけど、とにかく「完璧な人間は居ないし、仮に完璧な人間が居てもその完璧さが弱点だよね」って話。それは愛とか暴力とかで語れば簡単だけど、愛とか暴力が人間を語るんじゃなくて人間が愛を語り暴力を行使するという本質に原点回帰させてくれる一編。
ちなみに、前回この漫画版について触れたけど、その時も言ったようにこの原作の本作の方が遙かにいい。漫画版を読んでがっかりした人は本作を読んでびっくりしてほしいw

『我が家のトトロ』
前を向くという事は前だけでなく後ろが存在することを逆説的に示していて、前を向いて進むという事は将来後ろを振り返ってその道程を見返す事を前提としている。勉強に仕事、恋愛に友人。自分の中のランク付けは常にその過程で行われて、折り重なって過程となる。自分が幸せになるという事は、その過程を自分だけじゃなくその過程にかかわる人たちの充足も大切な要素なんだなぁ、と。

『ソマリア、サッチ・ア・スイートハート』
分冊の際に本書のために書き下ろされた作品。
個人的には読んだ時期が悪かった。気晴らしに、息抜きに、なんとなく、読むと後悔するw
昼過ぎに読んで夜まで気分が上がらなかった(苦笑)。どんな小説でも小説を小説として楽しめる余裕を持って読めばよかった。
日常と普通ってみんなそれぞれ違う。サッカーで、前半と後半で試合がひっくり返った時に自軍と敵軍は、どちらが前半と後半のどちらをイレギュラーと思うだろうか。その試合の境目を肌で感じられるのは監督でも選手でもなくて、意外と審判だったりするんじゃないだろうか
スクールアタック・シンドローム (新潮文庫 ま 29-3) スクールアタック・シンドローム (新潮文庫 ま 29-3)
舞城 王太郎 (2007/06)
新潮社

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【2007/07/23 10:04】 | こむじゅの本棚 | トラックバック(1) | コメント(0) | page top↑
『ピコーン!』舞城王太郎×青山景
舞城王太郎原作の短編『ピコーン』を漫画化した本作。IKKIで連載してたとは知らず、本屋で見かけて即レジに持って行ったのは言うまでもありません。買ったのは随分前だけど、後半部分が単行本になる際に書き下ろしが含められていて、それも原作が舞城の短編『スクールアタックシンドローム』で、原作を読んでなかったから『ピコーン!』だけ読んで半分残してたけど、『スクールアタックシンドローム』が文庫化されたのでやっとこっちも読むことが出来ました。

まずは『ピコーン!』だけど、これはすごい。舞城の小説を読んだことがある人はわかると思うけど、一人称で語られている部分が多いのにもかかわらずと絶妙な情景描写で映像が頭に流れ込んでくる臨場感は、時にスピード感やぐるぐると考える主人公の思考が突飛なのにわかりやすいとか評される事が多いけれど、その面白さは逆にそれを映像化することは難しいんじゃないかと思う理由でもある(思考を上手い事盛り込んだ映像作品が無いという評論とかじゃない)。しかし、原作の面白さを損なうことなく、文字で表現できない部分は削りつつビジュアルで語れるところはプラスアルファで表現して全体的に上手く漫画にして語れてると思う。
舞城ファンなら原作から読んだ方がいいと思うし、大抵はそうするだろうけど、舞城を読んでみたいけど・・・と思っている人にお勧めしてもいいぐらいのクオリティだと思う。良いメディアミックスの例だと。

一転して『スクールアタックシンドローム』は原作の方が遙かに面白い。『ピコーン!』では小説の言葉を上手く削り取っていたのに、こちらでは必要なところも削られていると思った。『ピコーン!』が良すぎたために、それがかなり際立って見える。原作は、文庫化の際の分冊に際して表題作になり得るほどに良い作品なだけに少しがっかり。しかし、ラストシーンだけはビックリするぐらいに上手く描けてたんじゃないかと思う。終わりよければ全て良しw

友達の本棚にこの漫画を発見することが出来たなら読んでみて欲しい一冊。

ピコーン! ピコーン!
舞城 王太郎、青山 景 他 (2007/02/27)
小学館

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【2007/07/20 18:32】 | こむじゅの本棚 | トラックバック(1) | コメント(0) | page top↑
『ヤッツィー』
前回に引き続きダイスゲームをご紹介。
ヤッツィーは、五個のサイコロを数回振って決められた役を作り、ポイントを稼いでいくゲーム。わかりやすく言えば、サイコロでポーカーをする感じ。基本的に大きい数字でゾロ目を狙っていくことになるけれど、もちろんストレートもあるし、小さい目のゾロ目も出していきたいので、一投目の目を見てその回の方向性を考えて行くことになる。

このゲームがポーカーと決定的に違う点が①「ポイント制」であることと②「同じ役は二度と使えない」ということ。
①「ポイント制」なので、毎回相手より高い役を作る必要はなくて、そうではなくて毎回いかにポイントの高い役を作れるかが鍵となってくる。そういう点ではソロプレイに近い。
つぎに②「同じ役は二度と使えない」というのがこのゲームの一番のミソで、例えばそれまでの自分の番に「フルハウス」を出して得点していた場合、それ以外に「フルハウス」を作っても「フルハウス」の得点がもらえないということ。じゃあどうなるのかと言えば、完成していなくてもそれを「ストレート」として扱って「ストレート」失敗 ⇒ ストレートの得点が0ポイントとしなければならない。そう、役は失敗もアリということ。

こうやって高得点を目指していくわけだけど、一人でやる分には如何に高い得点を取れるかというゲームとなり、複数人でやると他の人たちが残している役の「出来やすさ」と「ポイント」を考えることが出来るので、冒険はせずに無難に得点していく事で勝利することもできるようになる。自分の役と他人の役、自分のポイントと他人のポイントとにらめっこしてはサイコロを握る手に思わず力が入るゲーム!

役さえ覚えちゃえば普通のサイコロが五個あれば出来ちゃうというのはオフレコですwww

スタンダード ヤッツィー スタンダード ヤッツィー
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ハナヤマ
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【2007/07/16 11:59】 | こむじゅのボードゲーム | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
『みんな元気。(文庫版)』舞城王太郎
単行本から文庫化されるに当たって『みんな元気。』『Dead for Good』『矢を止める五羽の梔鳥』の三編が収められた短編集である本書。
単行本に納められていた『スクールアタックシンドローム』『我が家のトトロ』の二編は書き下ろし作品とあわせた三編で『スクールアタックシンドローム』として別途文庫化されている。今回は『みんな元気。』の文庫版の方の紹介。

カバー裏に「<愛と選択>の短編集」と銘打たれているが、個人的には「<自分と関係性>の短編集」と呼ぶほうが適当ではないかと思う。語呂は悪いけどね。
どの物語も、主人公を含めた登場人物がそれぞれのゆるぎない価値観で動き、そこでは<自分>と周囲との距離のとり方、つまり<関係性>が示されている。また、その<関係性>は<自分>の在り方についてフィードバックされ、メビウスの輪のような四次元的な入れ子構造となっている。と、思う。そこで、使われているキーワードが<愛>だったり<選択>であったりしている。しかし、この短編集で語られているのはやっぱりそういうものの深層にある<自分>というものじゃないんかな。

優しさ、暴力、傷、連帯。周囲から与えられるものである一方、それは与えられている自分があって成り立ち、その逆も言える。
舞城の短編は本を読まない人に勧める本に向いていると思う。少しあくが強いけどw

みんな元気。 みんな元気。
舞城 王太郎 (2007/05)
新潮社

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【2007/07/08 19:59】 | こむじゅの本棚 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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