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『四畳半神話大系』森見登美彦
現代を生きる若者で、実際に四畳半に入ったことがある人がどれだけいるだろう。
また、そこで生活をした事があるとなると、どれだけになるだろう。
そんな中、「正方形に畳が置かれた四畳半を想像してくれ。この小説はまさにその四畳半だ!」という感想の、この例えがどれだけ正確にイメージされるだろうか。

それでも、この例えが理解されなくてもそれが時代で、それはそれとさせるのもこの作品だと思う。

あたりまえだけど、ほとんど同じ畳であっても、それぞれ異なったイグサの束を、職人の腕で同じ寸法に整えられたものである。
そして、この作品は一人の職人に紡がれた四つの話から成っている。
それらは、ほとんど同じ形をしてるものの、よく見ると素材は同じであるけれど全く個性の異なるもので出来ている。

ところで、一畳の畳が風車のように敷かれ、その真ん中に半畳の畳が納まっている、というのが四畳半である。
四枚の畳だけで四畳半は成り立っているわけではなくて、その中心にある半畳がなければ四畳半ではない。
本作では、短編集などでよくある、全編を通して見えてくる物語があるわけではない。しかし、物語になりきれていない物語が確かにあって、他の物語に支えられてその中心に渦を巻くようにして蜃気楼のように立ち上がっている。
四つの物語とあわせて、この物語になりきれない物語の存在があるからこそ、神秘的な四畳半の大系がそこに形作られている。


四畳半神話大系 (角川文庫 も 19-1)四畳半神話大系 (角川文庫 も 19-1)
(2008/03/25)
森見 登美彦

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【2008/05/22 21:49】 | こむじゅの本棚 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
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コメント
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【2008/05/25 12:12】 URL | -Ma vie-管理者Tiara #-[ 編集] | page top↑
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